ライ麦の総食物繊維含量は約13.3g/100gであり、小麦などより多い。ライ麦パン(ライ麦粉:小麦粉=1:1)の総食物繊維含量は、約5.6g/100gと、小麦パンより多い。
水溶性食物繊維の比率も、ライ麦粉、ライ麦パンで36%であり、小麦粉、小麦パンより多い。水溶性食物繊維の成分は、アラビノキシランが多く、β-グルカンも含む。
ライ麦パンは小麦パンより満腹感が持続する
スウェーデンの研究で、ライ麦パンと小麦パンを16人に与え、その後の食欲(空腹感、満腹感等)を8時間評価した。その結果、ライ麦パンを朝食に食べると、小麦パンに比べて満腹感が持続することが示された。
Nutrition Journal. 2009; 8:39
ライ麦パンは食後血糖上昇を抑制する
スウェーデンの研究で、ライ麦粉(胚乳、全粒ライ麦、またはライ麦ふすま)で作られた朝食を12人の健康な被験者に摂食させるクロスオーバー試験を行った結果、胚乳ライ麦パンと全粒ライ麦パン(乳酸が入った「サワー種」のライ麦パン)が、血糖値の上昇を抑制することを示した。
Nutrition Journal. 2009; 8:42
ライ麦パンはメタボリックシンドロームの軽減に有効
フィンランド研究で、メタボリックシンドロームの成人47人のグループを2群に分け、12週間のオート麦、小麦パン、ジャガイモを含む食事とライ麦パンとパスタを含む食事を摂取させた。ライ麦/パスタ群は、麦/小麦/ジャガイモ群よりも炎症が少ないことを示した。炎症は2型糖尿病のリスクを高める可能性があるため、メタボリックシンドロームをすでに患っている人々の糖尿病のリスク低減に有効と結論づけた。その他、ライ麦パンの摂取は体重のコントロールに有効であることも示された。
American Journal of Clinical Nutrition. 2008; 87(5): 1497-503.